東北の凍み豆腐
関東では一般的に「高野豆腐」とか「凍り豆腐」と呼んでいるが東北では「凍み豆腐(しみどうふ)」と呼ぶのが一般的。どちらも大豆から作るのは全く同じだが、形状が若干違っている。「高野豆腐」に比べ薄いのが特徴。東北では宮城県岩出山町と福島県立子山の2ヶ所が特に有名。いずれも手作りで天日干しをしている。自然を相手にしているので一年中生産され ることはない。冬の寒い時期だけ限られた期間に作られる。

福島立子山の歴史は今から300年前信夫郡大森村円通寺の住職が高野山(和歌山県)で出会った精進料理に感激し、そこに使われていた有名な高野豆腐を持ち帰り、福島の気候に合わせた製法で凍み豆腐をあみ出し近所の人に伝えたとのこと。

その後福島城主であった板倉重寛公の御用達として生産され、この地区に根付いたものだった。 大正時代になって立子山の篤農家管野總治郎氏が寒村の農業経済に活を求め凍み豆腐の研究を本格的に始め、ついに300年の製法を基に、現在の凍み豆腐が完成したようだ。

福島も宮城も冬の間の農家の副業として発展したようだ。この地区を冬場の最盛期に歩くと庭一面に「凍み豆腐」が天日干しされていてその風景に圧倒される。基本的には4枚づつに括られ干されることが多い。生産農家はまず大豆の仕入れからではなく「凍み豆腐」を吊るすワラの仕入れから始まるという。

ある生産農家は「米が欲しいから稲作をするのでなくワラが欲しいから稲作をするんだ」などと言うところさえある。全国各地に商品を並べたいところだが生産量も限られている為その地方その近隣に行かなければ手に入れることができない。

使用原料は国産大豆の増産に伴い地場の国産地場大豆を使用するところが増えてきたようだ。この2大特産地周辺で栽培されている国産大豆は、岩出山周辺では、「ミヤギシロメ」、「タチナガハ」、「タンレイ」、などがあり、平成13年からは新品種「アヤコガネ」も栽培されるようになった。

「アヤコガネ」は形状も美しく蛋白含有量ばかりでなく糖分も多いことから当社では「宮城の大豆―彩黄金(あやこがね)」として煮豆用小袋でも販売している。また、岩出山を抱える宮城県の大豆生産量は北海道に次いで全国2番目の生産量。

一方、福島県立子山周辺では「エンレイ」や「スズユタカ」などもが栽培されているが、この地区も平成13年度から新品種「ふくいぶき」が栽培され始まった。この大豆の大きな特徴は府県産大豆の中ではイソフラボンの含有量が多く、高付加価値製品の開発原料やイソフラボンを多く含む豆腐や納豆、黄な粉の製品開発に期待されている。

「凍み豆腐」はいろいろな料理の素材として応用範囲も広く、栄養も豊富なことから最近さらに注目を浴び始めこの2地域でも生産が追いつかない。商品のご購入は各経済連または農協にお問合せ下さい。尚、当社の「宮城の大豆(彩黄金)」のお求めは一部のお豆腐屋さん、味噌屋さん、納豆屋さんなどでの店頭でお求めになれます。当社インターネットによる販売は現在準備中ですので、出来次第公開いたしますのでその時は宜しく。

(*写真はいずれも立子山作業風景 手作りのためできる量も限られる)

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